<Header>
<Author: 杜甫>
<Title: 觀李固請司馬弟山水圖三首 二>
<Format: 格式不明>
<Year: 1964>
<BookName: 唐詩選　上>
<Translator: 斎藤晌>
<style: 漢文無假名>
<style2: 日本漢文訓讀無假名標注>
<TranslatedTitle: 李固請司馬弟の  山水圖を觀る >
<BookPage: 234-235>
<UsedPage: 2>
<Feature: 1>
<End Header>
<Poem>
方丈渾連水，
天臺總映雲。
人間長見畫，
老去恨空聞。
范蠡舟偏小，
王喬鶴不羣。
此生隨萬物，
何路出塵氛。
<End Poem>
<Translation>
海上の神山といわれる方丈の島は、ただ渺々と遠くつらなる浪の彼方であるし、また陸上の仙境といわれる天台山はすっかり雲の上にそびえている。この人の世にいて、 いつまでもただ繪のなかだけで、こんな不老不死の世界を眺めているに過ぎない。そんな方丈がや天台のことを耳に聞くだけではどうにもならないではないか。いたずらに年老いゆくわが身が恨めしいではないか。かしこには見れば小さな舟が浮いている。むかし范蠡は功成りお身退いて小舟に来って五湖に浮かんだということだが、これでは あんより小さくて御相伴して乗せていただくわけにもゆくまい。見れば、仙人の王喬の乘用とも見える白鶴がたった一羽飛んでいる。どうも、そういう鳥はたくさんいる わけはないから、こちらが載せていただくようなゆとりはないだろぅ。わたしの一生は有憂轉變する萬物に隨って種々の繫累にひきずりまわされてゆく。どこへ行ったら、このきたならしい塵の世を逃れ出ることができようか。
<End Translation>
<Formatted Translation>
海上の神山といわれる方丈の島は、ただ渺々と遠くつらなる浪の彼方であるし、
また陸上の仙境といわれる天台山はすっかり雲の上にそびえている。
この人の世にいて、 いつまでもただ繪のなかだけで、こんな不老不死の世界を眺めているに過ぎない。そんな方丈がや天台のことを耳に聞くだけではどうにもならないではないか。
いたずらに年老いゆくわが身が恨めしいではないか。かしこには見れば小さな舟が浮いている。
むかし范蠡は功成りお身退いて小舟に来って五湖に浮かんだということだが、これでは あんより小さくて御相伴して乗せていただくわけにもゆくまい。
見れば、仙人の王喬の乘用とも見える白鶴がたった一羽飛んでいる。どうも、そういう鳥はたくさんいる わけはないから、こちらが載せていただくようなゆとりはないだろぅ。
わたしの一生は有憂轉變する萬物に隨って種々の繫累にひきずりまわされてゆく。
どこへ行ったら、このきたならしい塵の世を逃れ出ることができようか。
<End Formatted Translation>